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?G「コミュニケーション技能・自己表現力」の育成が促進される。
などです。詳しくは、國分2・3)をご覧ください。
(2)SGEと環境教育との関係
私は環境教育の『環境』の定義として、『環境とは、自分の周囲の人(世界の人々)や自然、人工物など、地球上のすべてのものである。つまり、自分以外の生物も無生物もありとあらゆるものが環境である。』と考えています。また、その環境教育の大前提として、そのひと自身が「自己理解」「自己受容」がなされていることと、いろいろな人々との関係の中で「他者理解」「他者受容」ができていることが、環境教育を推進していく上での重要なポイントであると考えています。
それは、人間は一人で生きてはいけない存在であるからです。家族や友人など自分と自分の身近な人とのつながり・かかわり、自分と自然とのつながり・かかわり、そして食べ物や衣服などを通しての自分自身と世界の人々とのつながり・かかわりがあるから、私たちは生きていける・存在しているのです。これは、SGEの在り方にも大きな影響をおよぼしている「人間は、世界の中のいろいろなもの・こと・ひととかかわりあいながら、人間として存在している」という『世界内存在』という考え方です。
私は、環境教育のまず第一歩として、『自己を知り、ありのままの自分自身を受容し、そして、友だちや家族など身近な人々との人間関係がっくれ、他者理解・他者受容できる人が、真の意味で、人類を含めた地球環境を大切にし、自分たちのライフスタイルを見直し変えていける「ひと」になれるのだ』と考えています。この意味で、私は環境教育の基盤として、SGEによる生徒同士・生徒と教師との温かく受容的な人間関係づくりを考え実践してきたのです。

 

2−2 構成的グループ・エンカウンターの継続した実践例と生徒の変容
これから述べるSGEの実践は、私が県の長期研修生として、当時の在籍校において、学級担任教師の協力を得ながら行ったものであることを、最初にお断りしておきます。
(1)実践の目的
?@SGEを継続的に実践することによって、生徒一人ひとりの自尊感情、学級適応感、社会的スキルを高める。
?ASGEを継続的に実践することによって、生徒一人ひとりに学級の雰囲気がより温かく受容的で、楽しいものに感じられるようにする。
(2)実践の方法
?@対象:公立中学校第2学年A組
(男子24名、女子16名)
?A期間:11月2目から12月16日
1週間に1〜2回の割合で、エクササイズを行いました。(合計11回実施)
?B展開の場所およびリーダー:
場所は主として教室を使用し、エクササイズの内容によって、体育館、校舎を使用しました。リーダーは、私です。
?C時間および授業への位置づけ:
1単位時間50分間で実施し、原則として学級活動と道徳の時間に行いました。
?D実践の評価(検証方法)
事前調査および事後調査により、生徒の意識・行動の変化をとらえ、統計的な方法により検討しました。さらに、学級担任による生徒の行動の観察を行い、実践の目的がどの程度達成できたか検証しました。
?E実施したエクササイズ:
表1の実施エクササイズ一覧に、この研究的実践において実施したエクササイズの題名と実施日、実施場所を示してあります。プログラムの前半は、学級の仲間との「相互信頼感」や「肯定的な自己概念」を高めるねらいのエクササイズを中心にし、後半に、「自己

 

 

 

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